奥さんはお弁当作らないんですか

お昼ごはんに外注の弁当を食べていた男性の同僚に対して、他部署の女性が言ったことば。

このことばに続いて、奥さん仕事してないですよね?という確認。
男性は、妻は自分と同じ時間に起きるから作るのは難しいと言い、
女性は、自分は早起きして家事をやりきってから家を出てくると言った。

この言葉の真意って?と思ったら勝手に面白くなって仕事中の数分トリップしてしまった。
悪趣味かもしれないけど、私にとってはパズルゲームを解いているかのような楽しいお題。


その男性は、とても家庭を大切にする人。適齢期に結婚して子育てするのがこの人にとっての当たり前。社会的に見せる顔では平等性や権利意識を大事にしているけど、根っこは伝統的なジェンダーロールを受け入れている。
彼は妻を庇うつもりで応答している。なぜ庇うかというと、仕事してない妻が弁当を作ることを当たり前だと思ってるから。たぶん、作れるなら作ってほしいんだと思う。でも言えないんだよね、家庭の中では。きっと、今時そんなこと妻に要求するべきじゃない…!とか、葛藤してるだろうと思う。

女性のほうは、仕事家事子育て趣味の全部乗せができるパワフルな人で、そのことに自負も持っている。彼女の夫は(私から見たら)亭主関白。彼女の中ではフェミニンな女性、マッチョな男性がスタンダード。
仕事してない女性は夫の弁当を作るべき、という考えがベースにあるのは明らかなのだけど、それよりもっと、自分自身が家庭のことも頑張った上で仕事しているということを言いたいのだと思う。あるいは、自分はマッチョに仕事してるけど、女性的なのだという訴え、かもしれない。家では家事をしても誰も成果を褒めたりしないし、職場では彼女の女性らしさを評価することはないから。


うちの夫も愛妻弁当にありつけない人で、もしかしたら周りに「奥さんはお弁当作らないんですか」って言われてるかもしれない。多少申し訳なさを感じるけど、面倒だから作らない。夫婦間でも合意してることだし。
反対に、私が社食で食べてると「旦那さんの会社も社食なの?」という質問にあう。飲み会なんかだと「ご主人は夕飯どうしてるの?」という変形バージョンもある。さあ?何食べてるんでしょうね。好きにしてるんじゃないですか〜。という返答が私のデフォルト。
たまにイラっとして、ジェンダーフリーダイバーシティ共同参画…とか、呪文だかお経だかのように唱えたくなってしまう。


そもそも私自身がジェンダーのコンプレックスにとらわれてるからこんな記事書くんだよなぁ。
この場でジェンダーフリーを訴えたいわけでは全くないんだけど、ジェンダーというのはしみじみ根深いもんだなと思う。